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急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)【専門医試験対策】

急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)について

 

疫学

AZOORは近視の若年女性に好発します。

 

症状

両眼性と片眼性どちらもあり、症状は急性の区域性の暗転や光視症を伴います。

具体的には視界の一部が急に見えなくなった、眼をつぶっても光がチカチカするなどといった訴えがあります。

 

検査所見

初期では眼底所見やFAGは正常なことが多いですが、視野検査ではマリオット盲点の拡大を認めることが多いです。
また、視野欠損に一致した部位のOCTを撮るとEZがびまん性に欠損しているのが観察できます。

また、OCTでEZが菲薄化している箇所に一致して多局所ERGで振幅低下を認めることで確定診断します。

 

 

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同一症例の眼底カラー、自発蛍光、OCT(水平断)、GP、多局所ERGを添付します。

カラー写真では眼底に異常無いように見えますが、自発蛍光では視神経を中心に過蛍光な病変が観察できます。
また、この過蛍光病変に一致してOCTでのEZ欠損や視野障害、多局所ERG異常を認めるのがわかると思います。

 

ちなみにAZOORでは一部の網膜外層がやられるのみですので通常のERGのフラッシュでは正常となります。

またAZOORは数ヶ月から数年後に視神経を中心とした帯状の網脈絡膜膜萎縮が出現するのが特徴で、自発蛍光を撮ると低蛍光となります。
この所見はAZOORに特徴的ですが必発ではなく、日本人には少ないとも言われています。

 

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治療

多くの症例は自然軽快するので経過観察しますが、視力低下が進んでくるような症例ではステロイドの投与を検討します。