眼科専門医試験対策ブログ

自分用のまとめ

【専門医試験対策】Heerfordt症候群

Heerfordt症候群について

 

サルコイドーシスのなかでも稀な症候群で不完全型含めても1〜5%程度です。
以下の4症状を満たすものをHeerfordt症候群と呼びます。

ぶどう膜炎
サルコイドーシスのぶどう膜炎と同じです。
②耳下腺腫脹
サルコイドーシスの6%程度に認め、多くは両側性です。
③顔面神経麻痺
サルコイドーシスで起こる脳神経麻痺で最も多いのが顔面神経麻痺で両側にみられることもあります。
④発熱
ほとんどが37度程度の微熱で高熱になることは稀です。

1〜4全て満たすものを完全型、1〜3のうち2つと④を満たすものを不全型と呼びます。

本症例は基本的にサルコイドーシスの亜型の一つですので治療はサルコイドーシスに準じます。
顔面神経麻痺を抑えるために経口でのステロイドを使用することが多いです。

 

あとは他にもサルコイドーシス類縁疾患にBlau症候群と呼ばれるものもあります。
マニアックなので試験対策には不要かもですが一応簡単にまとめておきます。

Blau症候群は乳幼児に発症する常優遺伝の疾患で、非乾酪性類上皮細胞肉芽種からなる①皮膚炎, ②関節炎, ③ぶどう膜炎を3主徴とする遺伝性自己免疫性疾患です。

通常のサルコイドーシスとは別の疾患と区別されます。

3つの症状はほぼ必発で、①から③の順番に症状が出現します。
4歳頃までに皮疹で発症します。

サルコイドーシスには珍しい関節所見が前面に出ること、BHLなどの典型的な胸部所見が無いので、小児のぶどう膜炎としてはJIAなどが鑑別となります。
JIAと違ってBlau症候群では汎ぶどう膜炎となります。

今回紹介したもの以外にもサルコイドーシスには様々な亜型があったり多彩な症状を起こす疾患で、時に診断が非常に難しいです。
生検が出来そうな所見があれば確定診断のためには最も確実なこともあるので積極的に考慮すると良いと思います。

総合内科などの難しい症例検討会でもサルコイドーシスは常に鑑別に残ることが多いです。
ちなみに診断の難しいシス3兄弟(サルコイドーシス、ツベルクローシス(結核)、アミロイドーシス)などとも言われることがあります。