眼科専門医試験対策ブログ

自分用のまとめ

【専門医試験対策】先天網膜分離症

遺伝性網膜疾患の先天網膜分離症についてです。

 

発症率は5000〜1万人に一人程度で、X劣性遺伝で男児に多いです。原因遺伝子はRS1(網膜分離の英語がRetinoSchisis)

 

遺伝性網膜疾患ではX-linkは少ないのでこれは覚えておくべきだとなります思います。他ではコロイデレミアがX-linkです。

 

典型例では就学時前後に視力低下や弱視(多くは遠視性)、斜視などで受診します。
視力は0.2〜0.7と中程度の視力を保つことが多いです。

 

名前の通り網膜が分離するのが特徴で、OCTで確認すると内顆粒層から外網状層にかけてびまん性の網膜分離を認めます。

 

ちなみに網膜剥離は視細胞層と網膜色素上皮の間が剥がれますので違いを確認しておいてください。

 

また、眼底写真では黄斑中心部から放射状のヒダ形成(車軸状変化といって自転車の車輪みたいに見える)が特徴的です。所見は基本的に両眼性です。

 

また、半数に周辺部にも網膜分離を認め、耳下側が好発部位です。

 

そして分離だけでなく、周辺部に小口病の金屏風がはげたような、銀箔様眼底とも呼ばれる所見を認めることがあります。


典型的な車軸状変化と銀箔様反射の画像を貼っておきます。(銀箔の方はわかりにくいですが)

 

f:id:xharu14:20200803094455j:imagef:id:xharu14:20200803094500j:imagef:id:xharu14:20200803094503j:image

 

そしてERG検査では陰性型のフラッシュ波形が得られます。