眼科専門医試験対策ブログ

自分用のまとめ

2020-01-01から1年間の記事一覧

【専門医試験対策】エタンブトール視神経症

エタンブトール視神経症についてです。 エタンブトール視神経症では、抗結核薬のエタンブトールの内服開始から1ヶ月〜2年程経ってから徐々に両眼の視力障害や視野障害が出現します。 視力障害は両眼とも同程度のことが多いため、その場合はRAPD陰性となりま…

【専門医試験対策】先天網膜分離症

遺伝性網膜疾患の先天網膜分離症についてです。 発症率は5000〜1万人に一人程度で、X劣性遺伝で男児に多いです。原因遺伝子はRS1(網膜分離の英語がRetinoSchisis) 遺伝性網膜疾患ではX-linkは少ないのでこれは覚えておくべきだとなります思います。他ではコ…

【専門医試験対策】網膜色素変性症

遺伝性網膜ジストロフィで最も多い網膜色素変性症についてです。 まず一般的なことから。 頻度は3000〜5000人に一人で遺伝形式は常優、常劣、X劣、ミトコンドリアなどあらゆる形式をとり孤発例もあります。 病態としては桿体錐体ジストロフィと考えていただ…

【専門医試験対策】Heerfordt症候群

Heerfordt症候群について サルコイドーシスのなかでも稀な症候群で不完全型含めても1〜5%程度です。以下の4症状を満たすものをHeerfordt症候群と呼びます。 ①ぶどう膜炎サルコイドーシスのぶどう膜炎と同じです。②耳下腺腫脹サルコイドーシスの6%程度に認め…

【専門医試験対策】サルコイドーシス

サルコイドーシスについてです。 サルコイドーシスはぶどう膜炎の最も多い原因で、肉芽種性ぶどう膜炎を呈し、ほとんどが両眼性です。 非乾酪性肉芽種病変を特徴としており、眼だけでなく肺、心臓、皮膚、神経など様々な全身病変を伴います。 前眼部所見とし…

【専門医試験対策】ベーチェット病

ベーチェットについてです。 ベーチェット病はぶどう膜炎の主要な原因の一つで、皮膚や粘膜、消化器、血管、神経など多臓器に障害をもたらす疾患です。 基本的に両眼性で再発性の虹彩毛様体炎を繰り返すのが特徴的です。 初期では片眼であったり前房内cellだ…

【専門医試験対策】ぶどう膜炎【総論】

ぶどう膜炎というのは眼の中で最も血管が豊富な組織です。 血流が豊富なため血流から感染が起こったり、免疫細胞によって自己免疫疾患が引き起こされたりすることでぶどう膜炎は起こります。 ぶどう膜炎は診断が難しい印象があると思います。その原因には様…

【専門医試験対策】多発性極部網膜色素上皮症状(MPPE)

多発性極部網膜色素上皮症状(MPPE)についてです。 MPPEは基本的にCSCがいっぱい出てくる、CSCのヤバイ版というイメージです。 CSCと違って漏出点が多数あり複数箇所出てきて、両眼に病変を生じます。アーケード血管より周辺部にも漏出点があることがあるので…

【専門医試験対策】中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)

中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)について CSCは脈絡膜血管の透過性の亢進が疾患の根底にあって、RPEの血液網膜関門が二次的に破綻することで網膜下に水が溜まる疾患です。 基本的なことを羅列すると 30〜50歳代の男性に多い 症状は変視、中心暗点、小視、色覚障…

【専門医試験対策】網膜内血管腫状増殖(RAP)

網膜内血管腫状増殖(RAP) 網膜内血管腫状増殖(RAP)は滲出性AMDに分類される特殊型です。ですのでここ数日解説している①典型AMD, ②PCV, ③RAPの3種類を理解出来れば滲出性AMDがざっくりわかったことになります。 今までの典型AMDやPCVでは脈絡膜から新生血管が…

【専門医試験対策】ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)

本日は滲出性AMDの一つであるポリープ状脈絡膜血管症(PCV)について解説します。 まず状態を理解するために眼底所見とOCT所見のシェーマを書いてみました。 まず左の眼底所見を見ていただくと、乳頭の近くに異常血管の網が形成されて、その先にポリープのよう…

【専門医試験対策】加齢黄斑変性症(AMD)

加齢黄斑変性症(AMD)には大きく分けて滲出型と萎縮型AMDがあります。 日本では萎縮型AMDが少ないと言われています。 滲出型AMDには典型加齢黄斑変性症、ポリープ状脈絡膜血管症(PCV)、網膜血管腫状増殖(RAP)の3種類があります。 本日は特に典型加齢黄斑変性…

急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)【専門医試験対策】

急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)について 疫学 AZOORは近視の若年女性に好発します。 症状 両眼性と片眼性どちらもあり、症状は急性の区域性の暗転や光視症を伴います。 具体的には視界の一部が急に見えなくなった、眼をつぶっても光がチカチカするなどとい…

EOGについて

EOG検査 まずEOG検査は何を見る検査かというと網膜色素上皮の機能を見る検査です。 あまり細かく電気整理を書くと嫌になってしまうと思いますのでざっくりと説明します。 原理を理解するために知っておくべきこととして、網膜に光を感じると、過分極や脱分極…

ドルーゼンとは

本日はドルーゼンについてまとめようとおもいます。ドルーゼンってAMDと関連するくらいしか知らなかったのでしっかり勉強しなおしてみました。 そもそもドルーゼンは眼底にみられる黄白色の小円形隆起病巣のことを言います。 代表的なドルーゼンには硬性ドル…

FAGの基本的な見方

FAGの基本的な読影方法 FAGを見る上で教科書でも書いていますが過蛍光と低蛍光となる所見について理解することが大切です。 まず過蛍光となる所見には下記の4つがあります。 ①蛍光漏出 leakage ②色素貯留 pooling ③組織染 staining ④透過蛍光 window defect …