眼科専門医試験対策ブログ

自分用のまとめ

ドルーゼンとは

本日はドルーゼンについてまとめようとおもいます。
ドルーゼンってAMDと関連するくらいしか知らなかったのでしっかり勉強しなおしてみました。

 

そもそもドルーゼンは眼底にみられる黄白色の小円形隆起病巣のことを言います。

 

代表的なドルーゼンには硬性ドルーゼンと軟性ドルーゼンがありますが、長径が63μm以下のものを硬性、以上のものを軟性と呼びます。

 

正常眼底でも高齢になるとともに小さいドルーゼンを認める症例が多々ありますが硬性ドルーゼンについては特にAMDの発症には関係ないようです。

 

軟性ドルーゼンで特に125μmを超えるものをlarge drusenと呼びAMD発症の大きなリスクとなります。

 

詳しいサイズは覚えられないので、視神経乳頭に入る直前の中心静脈の直径が120μm程度なのでその直径を超えたらlarge、半分以下なら硬性ドルーゼンなので病的意義はないと言うふうに理解するとよいかと思います。

 

ちなみにドルーゼンは網膜色素上皮の基底膜とブルッフ膜の内膠原線維層の間に沈着しますので、OCTで切るとRPE下の隆起として観察できます。

 

軟性及び硬性ドルーゼンの散在する眼底写真とOCT貼っておきます。

 

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ちなみに軟性ドルーゼンはFAG検査では過蛍光を示しますが蛍光漏出は認めないのが特徴です

 

そして少し特殊なドルーゼンとしてはreticular pseudodrusenと呼ばれるものがあります。

名前の通りpseudoドルーゼンですので軟性ドルーゼンとは沈着する物質も場所も少し違います。
眼底写真では割と小さい点状の黄白色物質を認め、特に上方アーケード近くで目立ちやすいです。

沈着部位は軟性ドルーゼンがRPEとブルッフ膜の間でしたが、こちらはRPEよりも網膜側に沈着し、外境界膜を越えるものもあります。

ですのでFAGではRPE上に沈着するのでブロックによる低蛍光を示します。(ブロックなのでIAや自発蛍光でも低蛍光です)
これは以前のFAGの話を思い出していただいて、window effectによる蛍光よりも手前にpseudodrusenが沈着してしまっているので低蛍光となると理解できると覚えなくてもわかると思います。

そしてこのreticular pseudodrusenは特に日本では萎縮型AMDやRAPの発症と関係していると言われていますので一般問題対策で覚えておくと良いと思います。

典型的な眼底写真とOCT貼っておきます。
先ほどのOCTと比べてこちらではRPEを貫いているように見えると思うので見比べてみてください

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FAGの基本的な見方

FAGの基本的な読影方法

 

FAGを見る上で教科書でも書いていますが過蛍光と低蛍光となる所見について理解することが大切です。

 

まず過蛍光となる所見には下記の4つがあります。

  

よくこういう風に書いてますがざっくり二つにわけると
1〜3は網膜血管の以上で血液網膜関門の破綻が起きている。
4は網膜色素上皮の萎縮が起きている。
という風に考えるとわかりやすいです。

 

①蛍光漏出 leakage

例えばこれはベーチェットのFAGですが、毛細血管の破綻が起きることでフルオレセインが血管外に漏れているleakageの所見です

 

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②色素貯留 pooling

 そしてこれは嚢胞様黄斑浮腫のFAGです。
黄斑近くの血液網膜関門が破綻することで黄斑部の外網状層に水がたまって嚢胞様の浮腫を起こしているので、FAGを行うと浮腫のところにフルオレセインが溜まってこのように染まって見えるのでpoolingと呼びます

 

③組織染 staining

そしてこれはBRVOのFAGです。
閉塞領域の血管からフルオレセインが漏れるleakageだけでなく、血管の透過性亢進によりフルオレセインが静脈壁に取り込まれて静脈が光って見えており、これをstainingと呼びます。

ここまではなんとなくわかりやすいと思います。結局この3つは所見の多少の違いはあれども網膜の血管の破綻によりフルオレセインが漏れた状態です。

 

④透過蛍光 window defect

最後のwindow defectが私は後期研修医の頃はなかなか理解が出来ませんでした。
これだけが血管の破綻とは関係無い所見です。

 

まず正常のFAG所見を見ていただきたいのですが

黄斑部は真っ暗ですが、周りの網膜は全体的に白っぽく明るくなっているかと思います。

これは網膜の外側の脈絡膜にもフルオレセインが入っているので背景がぼんやり明るく光って見えているのです。

ここで、正常の網膜では網膜色素上皮が脈絡膜の蛍光をある程度遮ることで、このようにぼんやり明るい程度に見えています。(すりガラス越しにライトを見てる感じ)

なので網膜色素変性症のように網膜色素上皮が萎縮するような疾患ではすりガラスの役割を果たした網膜色素上皮が無くなるので、脈絡膜の蛍光がいつもより明るく見えます

網膜色素変性症のカラーとFAGを貼っておきます。

 

骨小体様沈着物のあるところにそってびまん性に過蛍光が見えると思いますが、これがwindow defectです。

 

FAGの低蛍光については動脈閉塞によって流れていかないか、出血などに遮られて暗く見えるかだけなので解説は省略します。